最近、夜の街をテーマにした背景画を描いている。
ただの風景ではなく、「誰かが通り過ぎたあとに残る空気」を表現したいと思った。
まずは構図を決めるため、参考写真を数十枚集めた。
ネオンの反射、街灯のグレア、濡れたアスファルト。
実際に描き始めてみると、光源の位置や強さがわずかに変わるだけで、全体の印象がまったく異なる。
Photoshopでレイヤーを重ね、グロー効果を加え、さらにブラシで微細なノイズを散らすと、ようやく“空気の湿度”が出てきた。
仕上げに、手前に人物のシルエットを入れた。
傘を差したまま立ち止まる姿。
表情も顔も描かないのに、見る人によって「待っている」「迷っている」「思い出している」と異なる物語を感じる。
絵の中の余白が、観る人の想像を呼び起こす瞬間が一番好きだ。
完成した作品を見返してみると、自分自身の心情がどこかに映り込んでいる気がする。
創作はやはり、無意識を映す鏡だ。

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